加齢黄斑変性は先進国での失明原因第1位で、日本でも近年非常に増えております。
当院では造影剤を用いない、非侵襲的な機器であるOCTA(光干渉断層血管撮影)を用いて診断を行っております。

加齢黄斑変性とは?

病態について

網膜はカメラのフィルムに当たる組織です。網膜の中心部には黄斑と呼ばれる視力の鋭敏な場所があり、「加齢黄斑変性」とは黄斑に障害を来す病気です。
黄斑部に浸出液が溜まることにより、物がゆがんで見えたり、視力が低下したり、視野の中心部に見えないところが生じます。
加齢黄斑変性には大きく分けて萎縮型と滲出型の2つのタイプがあります。
萎縮型は網膜細胞が徐々に萎縮し、視力が低下していきます。この萎縮型は日本人には少なく、有効な治療法は現時点ではありません。
滲出型は日本人に多く、異常な血管(新生血管)が発生することで網膜が障害されます。

治療法

加齢黄斑変性による黄斑浮腫および新生血管の治療のために、眼の中に薬剤を注射します。この注射は1回で治癒することはまれであり、具体的には、まず1カ月に1回硝子体内注射を行うことを3回繰り返します。
その後は経過を見ながら注射を続けますが、当院では患者さんと院長がしっかり話し合ってから治療方針を決めていきます。

なぜならば院長のこれまでの経験で「高い注射を何回もしているのに良くならない」「治療を続けるのがつらい」という患者さんの声を数多く聞いてきたからです。また視力の維持のためには、注射を頻繁に行って完全に病状を抑え込むことが必ずしも必要でないことも報告されてきております。
加齢黄斑変性を専門として診療に携わる中で、個々の患者さんの状況に応じて治療方針を決めることが最重要だと感じておりますので、どんなことでもお気軽にご相談下さい。