ものを見るとき、光は瞳孔から眼球内に入り、水晶体と硝子体を通り、網膜に届きます。
網膜で感じとられた光の刺激が視神経を通って脳に伝えられ、ヒトは「見える」と認識しています。

網膜と硝子体に起こる病気には様々なものがあります。

代表的な網膜硝子体疾患

黄斑上膜

黄斑上膜とは、黄斑の上にセロファンみたいな膜ができる病気です。
初期には無症状ですが、進んでくると視力が低下したり、物がゆがんで見えてきます。左右の眼で物の大きさが違って見えることも多く見られます。
治療としては手術以外の選択肢はなく、点眼では膜を取り除くことは出来ません。

手術の時期に関しては、患者さんひとりひとりの状態や考え方によって異なるため、手術適応の有無も含めてじっくり話し合いをして決めさせていただきます。

黄斑円孔

網膜の中心に穴があき、中心が見にくくなる病気です。
穴が視野の中忍に位置するため、視力低下を来します。
黄斑円孔になった場合は、穴を閉じるための手術が必要となります。

網膜剥離

網膜に穴が開いてしまい、目の中にある水がそこを通って網膜の下に入り込むことで発生するのが網膜剥離です。

網膜剥離の症状として飛蚊症の増加や光視症を自覚することがありますが、病状が進んでくると視野欠損や視力低下を認めます。
近視が強い方やアトピーの方で多くみられ、20代と50代の人に多い傾向があります。網膜剥離が発生してしまった場合、手術が必要であり、放置した場合は失明してしまいます。

治療としては、網膜の穴だけもしくは限られた部分の剥離だけであれば、レーザーによる網膜光凝固術を日帰りで行います(20分程度)。

手術までの流れ

①外来受診 診断後に、手術のご説明を行い術前検査の日程を決めさせていただきます。
②術前検査 手術に必要な検査を行い、手術の詳細をご説明いたします。
③手術当日 ・ご予約のお時間に来ていただき、点眼などの準備を開始します。
・手術は仰向けで、お顔にシーツをかぶせた状態で行います。
・手術時間は30分-1時間程度です。
・手術後しばらくお休みいただき、眼帯を付けて帰宅となります。
④手術翌日以降 通院にて診察を受けていただきます。

*日帰りによる治療が困難な場合は入院可能な施設をご紹介させていただきます。